|8つの呼吸法で身体のねじれを解く
身体は“ねじれながら、つぶれている”
私たちの身体は、日常の姿勢や動作のクセによって
少しずつねじれながら、つぶれている状態になっています。
多くの人は、「背骨をまっすぐにしよう」と意識的に姿勢を正そうとしますが、
それはまるでペットボトルを手でねじって、
無理にまっすぐ戻そうとしているようなもの。
外から力で整えるのではなく、
内側から“ゆるめて”自然な軸に戻すことが大切です。
それを可能にするのが、さとう式リンパケアの呼吸法です。
さとう式リンパケアは「口からゆるめる」
さとう式の大きな特徴は、身体の入口である「口」から全身をゆるめていくこと。
顎まわりを整えることで筋肉の連動が生まれ、
首・肩・背中・骨盤へとやさしく整っていきます。
この考え方のベースにあるのが、
身体のねじれや緊張をほどくための8つの呼吸法です。
YouTubeでも紹介されているほど、人気のセルフケアのひとつです。
🌿8つの呼吸法で整える身体のめぐり
①腹式呼吸(ふくしき)
お腹をふくらませながら吸い、ゆっくりと吐く呼吸。
副交感神経が優位になり、リラックス効果が高まります。
肩の力が抜け、身体がふんわりとゆるみます。
②胸式呼吸(きょうしき)
胸で吸って胸で吐く、基本の呼吸。
肋骨まわりの呼吸筋を使い、交感神経が優位に。
姿勢を支える力を高めます。
③逆腹式呼吸(ぎゃくふくしき)
武道家が行う呼吸法。
吸うときにお腹をへこませ、吐くときにふくらませる。
交感神経と副交感神経の両方を高め、集中力と安定感をもたらします。
④全体呼吸
全身で呼吸を感じる大きな呼吸。
体全体を広げるように吸い、大きく吐き出します。
滞っていたエネルギーが一気に流れる感覚を味わえます。
⑤胸腹式呼吸
胸で吸い、お腹で吐く呼吸。
上半身の緊張を抜き、腹部の深部まで呼吸を届けます。
⑥腹胸式呼吸
お腹で吸い、胸で吐く呼吸。
呼吸の切り替えを滑らかにし、自律神経のバランスを整えます。
⑦横隔膜の“縦呼吸”
お腹も胸も一緒に広げ、
横隔膜を上下に動かす呼吸。
胸郭が広がり、深い呼吸が可能になります。
⑧密息(みっそく)
最も高度な呼吸法。
胸もお腹も動かさず、横隔膜だけを引き上げて呼吸します。
忍者や能楽師が使う呼吸で、内側の静寂と集中を生み出します。
呼吸が整うと、肩こりも軽くなる
肩こりの原因は、鎖骨と肩甲骨の動きの悪さにあります。
本来、これらの骨はサスペンション(吊り構造)のように働き、
身体の重みを支える仕組みです。
しかし、呼吸が浅くなると動きが制限され、
筋肉が硬くなってしまいます。
深い呼吸で胸郭が広がると、
鎖骨・肩甲骨がスムーズに動き、
自然と肩こりや首のハリが軽減されます。
鼻呼吸で脳を冷やす
さとう式では鼻呼吸を基本とします。
鼻腔は、頭を冷やし脳を守る“冷却システム”の役割を持っています。
口呼吸を続けると脳がオーバーヒートしやすく、疲労や自律神経の乱れの原因にも。
日常生活でも鼻呼吸を意識することで、集中力と安定感が高まります。
バストと身体機能の関係
バストは単なる見た目の象徴ではなく、
姿勢や呼吸、筋肉バランスに関係する重要なパーツです。
バストが自然な位置にあると、呼吸が深くなり、
身体の中心軸が安定します。
男女の身体の違いも興味深く、
男性は狩猟民族的な身体構造で、荷物を持たず身体にフィットした動きを好みます。
女性は農耕民族的な構造で、物を運ぶ・育むという機能性を持っています。
それぞれの身体の使い方に合った動きが、美しい姿勢をつくります。
稽古の本質「今ここに目的がある」
さとう式の哲学は、「今ここ」に意識を向けること。
過去や未来ではなく、“いまこの瞬間の身体”に集中する。
これこそが稽古の本質であり、心と身体をつなぐ鍵です。
耳から全身をつなげる
最終的には、「耳たぶから全身をつなげる」ことがポイント。
耳たぶにふれるだけで、筋肉や fascia(筋膜)が連動し、
足先までつながるように整っていきます。
それが、さとう式リンパケアの持つ「触れるだけで変わる」力です。
